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3.1.1.3 将来の航空機の全般的な通信手段をどう定義するか?
3.1.1.3.1 FANSの終了で状況は変化した
3.1.1.3.1.1 最初の全般的なCNS/ATM概念は1988年にFANS特別委員会によって作成された。この委員会の最終レポートは1993年10月に提出された。
近年、多くのCNS/ATM概念の実際的な応用が出現しつつある。これらの1つがFANS−1あるいはFANS−Aであったり南太平洋でのフレックス・トラックであったりGPSを利用した非精測進入であったりする。
しかしながら、CNS/ATM概念はFANS委員会が予期せぬ事態を引き起こしつつある。
3.1.1.3.1.2 通信
AMCPの受け持つVHF通信の分野では、データリンクの種類が多くなってきている。
A:多くの国で使用されているACARS
B:ATNと互換性のないAR1NC622フォーマット
C:ATNと互換性のあるVDLモード1
D:モード1の通信速度を改善したモード2
E:スカンジナビアの同僚が航法と監視用にと提案しているSTDMA
F:米国の同僚が提案している音声とデータの統合システム
衛星通信の分野では、低軌道から中軌道の傾斜軌道衛星による通信システムの開発が進んでいる。
3.1.1.3.1.3 航法
航法の分野では、米国のGPSに加えGLONASSが24衛星体制となっている。この他に3つの地域的な計画がある。GNSSPはインティグリティ・データとディファレンシャル・データの地域限定型放送のために3つの技術を調査中である。MLSのCバンドでは補助データが扱える。
L1バンドではジュードライト・オペレーションが実施される。Cバンドの利用についてはAWOPで、L1バンドの利用についてはGNSSPで検討されている。AMCPはVHFバンドの利用を検討している。
3.1.1.3.1.4 監視
監視の分野では、地上の施設とは独立して自機の位置を通報できるADS−Bが台頭してきている。ADSPのメンバはすでにADS−Bの運用特性を定義しはじめている。これに用いられる通信媒体の候補は、VHF帯のSTDMAと1090MHz帯のSSRである。RTCA/SC−186は1090MHz帯のSSRを利用してADS−Bを行うことを検討している。1CAOではSICASPがSSRを検討し、AMCPがVHFを検討している。
3.1.1.3.1.5 航空交通管理(ATM)
ATMに関してはフリーフライト概念が注目されているが、これは主に米国で盛んに議論が行われており、ヨーロッパは静観しているといった様子である。この概念の実現には空地だけではなく航空機間でもデータリンクが必要である。

 

 

 

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